こんにちは。「家族とペットを守る防災電源ガイド」運営者の「ポタ子」です。
大切な愛犬や愛猫と一緒に暮らしていて、大きな地震や台風などの災害が起きたとき、ニュースで見た時にわたしの場合「一緒に避難所へ逃げられるのかな」と不安になったことはありませんか。
私自身、2019年9月の台風15号で停電を経験しました。夜中にエアコンが止まってしまい、愛犬のチワワが暑さで体調を崩さないか心配で生きた心地がしなかったのを覚えています。それ以来、ペットを守るための防災や停電対策を真剣に考えるようになりました。
いざという時に愛するペットと離れ離れにならないためには、全国の避難所におけるペット受け入れ割合の現実を知り、行政の対応だけに頼らない準備をしておくことがとても大切です。
この記事では、ペット受け入れの現状やトラブルの予防策、そして万が一の時にペットと安全に過ごすための在宅避難や車中泊の具体的な備えについて分かりやすく解説していきますね。
- 避難所におけるペット受け入れ割合の現実と課題
- 同行避難と同伴避難の違いや避難所で起きやすいトラブル
- 避難所に行けない場合に備える在宅避難と車中泊のポイント
- 停電時でもペットの生活を守るためのポータブル電源の活用法
避難所でペット受け入れができる割合と現地のリアル

災害が発生した際、地域の避難所がどれくらいペットを受け入れてくれるのか、そのリアルな現状と知っておくべき基本的な知識について解説していきます。
同行避難と同伴避難の違いとは
災害時のペット避難を考えるうえで、まず絶対に押さえておきたいのが「同行避難」と「同伴避難」という言葉の違いです。この2つ、言葉はすごく似ているのですが、避難所でのペットの過ごし方がまったく異なります。
環境省のガイドラインによると、「同行避難」とは、ペットと一緒に避難所まで安全に逃げる行動そのものを指します。ただし、避難所に到着した後は、人間が過ごす居住スペースとペットの飼育スペースは完全に分けられるのが一般的です。ペットは屋外のテントや軒下、あるいは指定された別室のケージ内で過ごすことになります。
一方で「同伴避難」とは、避難所内で飼い主とペットが同じスペースで過ごす避難方法のことです。同じ部屋で一緒に寝起きできるケースも含まれますが、日本の公的避難所で同伴避難が許可されている場所は、現時点ではごくわずかかなと思います。
「ペットと一緒に避難OK」と自治体の防災ページに書かれていても、それは「同行避難(避難所までは連れてきて良いけれど、避難室内では別々)」という意味であることがほとんどです。この違いを正しく理解しておかないと、いざ避難所へ行った際に「同じ部屋で過ごせると思っていたのに、外のケージに預けなければならないなんて…」とショックを受けることになってしまいます。
全国自治体の受け入れ態勢の現状

気になる全国の避難所におけるペット受け入れ割合ですが、実は自治体によって対応にかなりの差があるのが現状です。環境省や内閣府が自治体向けにペット防災のガイドラインを出してはいるものの、実際に避難所を開設・運営するのは各市区町村や地域の自主防災組織だからなんですね。
都市部などの一部の自治体では、ペット防災のマニュアル作成が進んでおり、指定避難所の多くでペットの受け入れスペースをあらかじめ計画に組み込んでいるところもあります。しかし、地方や小規模な自治体では、まだペット対応の準備が追いついておらず、受け入れマニュアルすら存在しないというケースも珍しくありません。
日本動物福祉協会の調査というものを見たのですが、これによると指定避難所でのペット同行避難(避難所までは連れてきて良いけれど、避難室内では別々)が許可されている割合は地域によって37%〜93%と大きな差があります。愛犬をキャリーケース等に入れて離れてしまうケースでも自治体によっては6割が不可という所もあるのが現実です。
同じ調査では、ペットと同行避難できる避難所をそのものを設置する自治体の割合は22%〜86%だったそうです。自治体によっては愛犬を別の場所に置くスペースすら設置しないという所もあるという認識を強く持つべきです。
また、ペット保険「PS保険」を提供するペットメディカルサポート株式会社が、全国の20~69歳の犬や猫の飼い主856人(有効回答数)にアンケートした結果によると、近隣避難所のペットの受け入れ態勢について知っている方は22%だったそうです。
飼い主さんの約8割が自分の最寄りの避難所のペット受け入れ体制を知らないのです。最寄りの避難所自体を知らない方も4割程度いたそうです。同行避難と同伴避難の違いを理解している方も22%だったそうです。
近隣の避難所に行けば必ずペットと一緒に安全に過ごせると考えている方も非常に多いのが現実ですが、受け入れ態勢はまだ難しい所が多い状況と言えます。具体的な割合や対応方針は、お住まいの自治体のホームページで公開されている「地域防災計画」や「ペット防災マニュアル」で確認できます。一度ご自身の地域の情報を調べておくことを強くおすすめします。
ペット可の避難所が増えない理由

なぜ、ペットを受け入れられる避難所がなかなか増えないのでしょうか。それには、避難所という場所の特殊性と、運営側の抱える深刻な事情があります。
避難所でペット受け入れが進まない主な理由
- アレルギーを持つ避難者への配慮(喘息やアナフィラキシー対策)
- 動物が苦手な人や高年齢者とのトラブル防止
- 鳴き声や抜け毛、匂いなど衛生面・環境面の課題
- 避難所自体のスペース不足やケージ等の資材不足
- ペットのお世話やフン処理を行う運営スタッフの不足
避難所には、犬や猫が大好きな人ばかりが集まるわけではありません。動物の毛やダニに対する重度のアレルギーを持っている方や、幼い頃の体験から犬を見るだけで恐怖を感じてしまう方も避難してきます。避難所運営側としては、命の危険や人権に関わるため、そうした方々への配慮を最優先にせざるを得ないのです。
また、災害直後の避難所は人間用のスペースを確保するだけでも手一杯になります。その中でペット用の飼育エリアを分離し、温度管理や衛生管理を行うのは現場のスタッフにとってかなりの負担となります。こうしたいろいろな事情が重なって、受け入れ割合の増加を阻んでいるのかなと感じます。
避難所で発生しやすいペットのトラブル

運良くペット受け入れが可能な避難所に避難できたとしても、集団生活の中でトラブルが発生してしまうケースは後を絶ちません。
よくあるトラブルの一つが、「鳴き声(無駄吠え)」や「匂い・排泄物」に関する住民同士のトラブルです。慣れない環境や大勢の気配、周囲の騒音にパニックを起こし、犬が夜通し吠え続けてしまうことがあります。平常時なら優しく見守ってくれる周囲の人も、被災によるストレスと不眠で精神的に追い詰められているため、深刻なクレームに発展しやすいのです。
また、ケージからの脱走事故や、他のペットとの噛み合い、さらには小さな子どもへの噛みつき事故なども過去の災害で報告されています。避難所という極限状態では、どれだけ普段おとなしい子であっても予期せぬ行動をとってしまう可能性があることを、私たち飼い主は常に頭に入れておかなければなりません。
2016年の熊本地震の現実
環境省によると2016年の熊本地震では、ペット同行避難者の避難状況を確認し、調査時同行避難があったとされる避難所は85カ所あったそうです。調査時にペットの同行避難が確認された避難所は50カ所でした。35カ所減った要因として、避難所屋内への受け入れが拒否されたこと、飼養者が他の避難者に配慮してペットと共に移動、またはペットだけを家に置いて来たこと等が考えられるとのことです。(参考:環境省 熊本地震におけるペットの被災概況)
トラブルが起きたり、気を使ってなどの理由で同伴可の避難所でも出ていく割合が4割もあったという事実を考慮して、対策を考える必要があります。
在宅避難という選択肢が注目される理由

避難所におけるペット受け入れ割合の低さや、集団生活でのトラブル発生リスクを考えると、近年とても注目されているのが「在宅避難」という選択肢です。
在宅避難とは、自宅の建物自体に倒壊や浸水の危険がない場合に、無理をして避難所へ向かわず、自宅でそのまま生活を継続する避難方法のことです。住み慣れた家であれば、ペットも余計なストレスを感じずに済みますし、他の避難者に気兼ねする必要も一切ありません。
私自身も、台風15号のときに自宅で停電を経験しましたが、もしあの状態で混雑する避難所へ愛犬のチワワを連れて行っていたら…と考えるとゾッとします。おうちの耐震性や浸水リスクに問題がないのであれば、必要な物資を日頃からストックしておき、住み慣れた自宅でペットと一緒に乗り越える方が、飼い主にとってもペットにとってもはるかに安全で快適な選択肢になるはずです。
避難所のペット受け入れ割合を踏まえた防災対策
避難所の現実を把握した上で、私たちは今からどのような準備を進めておくべきなのでしょうか。愛するペットの命と健康を守るための具体策をまとめました。
事前に確認すべき地域の避難情報

まずは、自分が住んでいる地域のリスクと、近くの避難所のルールを正確に調べることから始めましょう。
自治体の発行しているハザードマップを確認し、自宅周辺に水害(河川の氾濫や内水氾濫)や土砂災害のリスクがどれくらいあるかチェックしてください。自宅が安全なエリアにあると分かれば、第一選択肢として「在宅避難」を選ぶことができます。
次に、指定避難所の情報を調べます。市区町村の防災課のホームページを見たり、直接問い合わせたりして、以下の項目を確認しておくのがおすすめです。
自治体へ確認しておきたいペット避難チェックリスト
- 最寄りの避難所で「同行避難」が認められているか
- ペットの待機場所はどこか(屋外・半屋外・屋内の専用部屋など)
- 受け入れ可能なペットの種類(小型犬、大型犬、猫、小動物など)
- 避難所でペット用フードや備品の備蓄があるか(基本はないと考えましょう)
自治体によっては、事前にペットの登録が必要だったり、避難所での飼い主同士のタスクフォース(協力組織)作りを推奨していたりすることもあります。事前のリサーチが、いざという時の落ち着いた行動につながりますよ。
ペットと一緒に過ごす在宅避難の備え
ペットと一緒に「在宅避難」を無事に乗り切るためには、水や食料、衛生用品の事前備蓄が欠かせません。インフラ(電気・ガス・水道)が完全に止まってしまった状態でも、最低1週間、できれば2週間は自給自足できる環境を整えておきたいところです。
| 備蓄アイテム | 必要量の目安 | ポイント・注意点 |
|---|---|---|
| ドッグフード・キャットフード | 最低2週間分以上 | 賞味期限を管理し、ローリングストックで普段から多めに保管する。 |
| 飲料水 | ペットの体重に応じた量×14日分 | 人間用とは別に確保。硬度の低い軟水を選ぶ(結石防止のため)。 |
| ペットシーツ・トイレ砂 | 通常の1.5〜2倍の量 | ゴミ収集が止まるため、多めに確保。消臭袋(BOSなど)も必須。 |
| 常備薬・療法食 | 最低1ヶ月分 | 持病がある子は必須。災害時は獣医院も休業・在庫切れになる。 |
| ウェットティッシュ(ペット用) | 3〜5パック | 断水時に体を拭いたり、ケージや足元を清拭したりするのに大活躍。 |
フードに関しては、処方食や特定のフードしか食べられない子の場合、災害時に支援物資として届く可能性はほぼゼロに近いです。必ず余裕を持ってストックしておきましょう。
停電時も愛犬を守るポータブル電源

在宅避難で最も怖いのが「長時間の停電」です。特に日本の夏は猛暑化が進んでいるため、猛暑日の停電はペットにとって命に関わる大問題になります。
私が2019年の台風で経験したときも、深夜に突然エアコンが止まり、室温がぐんぐん上がっていきました。チワワのような小型犬や高年齢のペット、短頭種(ブルドッグやパグなど)、長毛種の猫ちゃんなどは体温調整が苦手なので、熱中症のリスクが極めて高くなります。
そこで我が家で導入したのが、「ポータブル電源」と「ソーラーパネル」です。
ポータブル電源があれば、停電中でも扇風機やサーキュレーター、ポータブルエアコンを動かすことができます。容量が大きいモデル(1,000Wh〜1,500Whクラス)であれば、家庭用エアコンを数時間稼働させたり、冬場に電気毛布やペット用ヒーターを長時間使ったりすることも可能です。
ポータブル電源を選ぶときのポイント
ペットの暑さ・寒さ対策として家電製品を使いたい場合、定格出力が大きく、バッテリー容量に余裕があるモデル(1,000Wh以上)を選ぶと安心です。ソーラーパネルとセットで準備しておけば、停電が数日間に及んでも日中に太陽光で充電し直すことができます。
「電気」を自前で確保できる環境を作っておくことは、在宅避難時の生活の質を上げる(QOLを向上させる)のに劇的に貢献してくれますよ。
キャリーバッグに慣れさせる日頃の訓練

避難所に行く場合でも、車中泊をする場合でも、さらには自宅内で安全な部屋へ移動する場合でも、絶対に必要になるのが「キャリーバッグやクレートにスムーズに入ること」です。
普段からキャリーバッグを「動物病院へ行くときだけ使う嫌な箱」にしてしまっていると、非常時に恐怖で逃げ出したり、暴れて入ってくれなかったりします。災害発生時の混乱した状況でペットを入れるのに時間がかかってしまうのは、命取りになりかねません。
日頃からお部屋の中にクレートやキャリーを出しっぱなしにしておき、中でご飯をあげたり、お気に入りのおもちゃを置いたりして、「ここは自分だけの安全で落ち着く大好きな場所(ハウス)」だと認識させておきましょう(クレートトレーニング)。
また、ケージの扉を閉められた状態でも落ち着いて静かに過ごせる訓練や、見知らぬ人や他の動物に対して無駄吠えしない社会性を身につけておくことも、飼い主としての重要な防災対策です。
避難所で必要なペット用防災グッズ

万が一、避難所へ同行避難することになった場合に備えて、「ペット用持ち出しバッグ」を用意しておきましょう。避難所に設置される支援物資は基本的に「人間用」が優先されるため、ペット用品は届かないか、届くまでに何日もかかります。
持ち出し袋には、フードや水、リード、首輪(迷子札付き)はもちろんですが、意外と忘れがちなのが「飼い主の匂いがついたタオルや服」です。避難所の見知らぬ匂いと音に囲まれた環境でも、飼い主さんの匂いがする布が一枚ケージの中にあるだけで、ペットのストレスや恐怖心がぐっと和らぎます。
さらに、ペットの写真(飼い主と一緒に写っているもの)と健康状態やワクチンの接種歴、持病、かかりつけ動物病院の連絡先をまとめた「ペット防災手帳(メモ)」も印刷して入れておきましょう。はぐれてしまった時の捜索や、避難所での受付時にとても役立ちます。
ペット同伴用の車中泊避難で必要な準備
「避難所の受け入れ割合も低いし、自宅も被災して住めない…」という場合の選択肢として、自家用車を使った「車中泊避難」を検討する方も増えています。
車内であればプライベートな空間が確保できるため、周りに気兼ねすることなくペットと一緒に過ごせるという大きなメリットがあります。一方で、車中泊には固有の危険やリスクも存在します。
車中泊避難で注意すべき危険と対策
- エコノミークラス症候群:長時間同じ姿勢で座り続けることで血栓ができるリスク。適度な運動と水分補給が必須。
- 車内の熱中症:エンジンを切った車内は短時間で高温に。エアコン稼働のためのガソリン確保や、ポータブル電源による冷却対策が必要。
- 一酸化炭素中毒:冬場に排気口が雪や泥で埋まると危険。こまめな点検が必要。
車中泊をする予定があるなら、座席の段差を無くす専用マットや、窓からの視線を遮るサンシェード、そして車内の温度を一定に保つための暑さ・寒さ対策グッズ(ポータブル電源+扇風機や電気毛布)をあらかじめ車に積んでおくと安心です。
避難所 ペット受け入れ 割合に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 避難所にペットを連れて行くとき、ワクチン接種証明書は必要ですか?
はい、持参すること強くおすすめします。狂犬病予防注射済票や混合ワクチンの接種証明書、集団生活での感染症予防のために求められるケースが多いです。防水ケースに入れて防災バッグに保管しておきましょう。
Q2. 犬や猫以外のペット(ハムスターや鳥など)も避難所に連れて行けますか?
自治体や避難所の判断によりますが、小型のケージに入れた状態で同行避難が認められる場合もあります。ただし、温度管理が特にシビアなエキゾチックアニマルの場合、避難所での飼育は困難を極めるため、頑丈なケージの準備と在宅避難の環境整備を優先するのが現実的かなと思います。
Q3. 避難所でペットのフードは支給されますか?
基本的に支給されないと考えておいた方が安全です。救援物資としてペットフードが届くこともありますが、到着までに何日かかるかわかりませんし、救援物資の種類を選べるわけではありません。アレルギーのある子や処方食を食べている子は、必ず自分自身で最低2週間分以上を備蓄してください。
Q4. 自宅での在宅避難を成功させるために、一番重要な準備は何ですか?
「水と食料のストック」と「停電対策(電源の確保)」の2点です。特に夏場の暑さ対策として、ポータブル電源やソーラーパネルを準備しておくと、エアコンや扇風機が使えて体調管理が格段にしやすくなります。
避難所のペット受け入れ割合を知り対策を進めよう
全国の公的避難所におけるペット受け入れ割合は、少しずつ改善に向かってはいるものの、現時点では「行けばどうにかなる」と言えるほど万全ではありません。避難所の環境やルールの壁がある以上、行政の対応だけに全面的に頼ってしまうのは、大切なペットの命を守る上でリスクが高いと言えます。
だからこそ、私たち飼い主に求められているのは「自分自身でペットを守る準備をしておくこと」です。
地元の避難所のルールをあらかじめ確認しておくことはもちろん、万が一避難所に行けない場合を想定して、フードや水の備蓄、しつけ、そして停電時でも快適な温度を保つためのポータブル電源の導入など、「在宅避難できる環境」を今から少しずつ整えていきましょう。
日頃のちょっとした準備と心構えが、緊急時に愛する家族とペットの笑顔を守る大きな力になりますよ。
※本記事に掲載している避難所の受け入れ体制や防災ルール、数値データ等はあくまで一般的な目安です。実際の災害時の対応やルールは自治体や避難所ごとに異なりますので、正確な情報は必ずお住まいの自治体公式サイトや防災窓口でご確認ください。また、ペットの健康管理や持病に関する判断は、事前によつけの獣医師にご相談いただくことをおすすめします。



コメント